新曲 雪風リリースされましたね

なかなか本題のアルバム紹介が進みませんが、そんな中で新曲『雪風』がリリースされました。

 

 

さっそくiTunesで購入して何回も聞いています。

 

雪風

雪風

 

この4月に雪風、、
相変わらずのひねくれ具合と思っていましたが耳にするととても季節感にマッチしています。過去に思いをはせる歌詞だからかもしれません。
 
プロデューサーの亀田さんも書いてるように『美しいメロディ』の曲です。
 
ギターのアルペジオから入る定番のパターンではじまりますが直ぐにベースとドラムスが入ってきて、そこからマサムネのボーカルが始まると『あー、いつものスピッツだ』と言うこの感じはいつ聞いても心地よいですね。
 
基本的にはミディアムテンポでパートもAメロとサビだけで構成されたシンプルな作りです。ただかなり複雑なメロディラインでつい聴き入ってしまいますね。
 
今回の曲ですごく特徴的なのはマサムネの歌い方です。過去の曲に比べて伸ばす音が多用されていて、それがこの曲にオリジナリティを与えているように思います。少し落ち着いた感じのハイトーンボイスが耳に気持ち良いです。
 
 
歌詞の方は『小さな生き物』の世界観が色濃く残っています。生と死の世界との距離がグッと縮まったような、あの感じです。
1番の歌詞を『ふんふん、相変わらずキレイな歌詞やなあ』て聞いていると2番で完全にやられてしまいます。
 
最近思うんですけど、草野マサムネの描く世界ってもはや文学の領域ですね。
 
僕は小説家なら村上春樹も好きなんですけど、この人の小説も昔から生と死の世界がいつも同じ軸上に存在していて、対岸にあるものではないという感じなんですけど、マサムネの最近の歌詞もそう言う世界になってきてるなと感じるのです。
 
それは多分あの震災による影響なんでしょう。この日本で2万人以上の方が亡くなられたわけで、あの頃の、というか今も被災地の方々は生と死が隣り合わせの世界で生きているわけで。震災の後ストレス障害になってエア被災なんて茶化されてましたけど、小さな生き物以降の歌詞を聞くたびに、この人は本当に傷ついたんだろうなって思いますね。
 
ちょっと横にそれてしまいましたが、雪風の歌詞は本当に素晴らしいです。
 
現実と離れたとこにいて こんな風に触れ合えることもある
とか、
夢さめたら少しで良いから無敵の微笑み見せてくれ
とか。
 
そして最後はこんなフレーズで終わります。
冷たい光受けて立ち上がれ まだ歌って行けるかい?
ここ最近の歌詞は本当に突き抜けていますね。ただ頑張れとか言わずにそっと励ましてくれる、そんな歌詞を書けるのはすごい才能だとおもいます。
 
 
たった3分ちょっとの曲の中でこの世界観を出せるバンドはちょっといないと言うかスピッツの曲の中でもないのではないでしょうか。
 
あれやこれやと書き散らしましたが、とにかくまだ聞いてない人は是非聞いてみてくださいね。